外房の町・安房鴨川から渓谷の町・大多喜まで、
車1台がやっと通れるような、曲がりくねる緑深い山道を行く。 暑い夏の日だったけれど、鶯が鳴いていた。 山の斜面に小さな畑が作られている。 あ、これはコンニャクだ。草を刈った匂いがする。 「山野草」のお店で会ったおばちゃん。 「お客さん? めったにこないねぇ」 「この鹿の角? 連れ合いが鉄砲撃ちだからさ」 「このランは、珍しいんだよ。見る人が見りゃ、分かるんだがな」 海から1時間ほどの峠に、こんな看板を見つける。 峠の秘湯、白岩温泉だ。 自然の硫黄泉で、千葉の山の中にあるなんて、ちょっとした発見。 昼は緑の山と青空。夜には、星や螢を見ながらのお風呂になる。 ぬるかったけれど、後からジワジワポカポカ。 風呂上がりに冷えた湧き水を一杯。 甘い。喉を優しく刺激するものがある。滋養を感じる。(ホントはビールが欲しかった) 山芋とろろ蕎麦を作る館主。 「秋になったら、猪の鍋を食べにきてくださいね」 鹿ジャーキーと野生の茗荷もごちそうになる。 道の雑草を刈っていたおじさん。 「どっから来たと? 東京? 東京のどこ? 新橋? あそこはいいよなぁ、飲み屋が仰山あんだろ」 「東京の景気はどうだい? ん、悪い? そうけぇ、カンじゃダメださね」 と、いった房総の小さな旅。 海、山、渓谷、野鳥といった自然もいいけれど、 やっぱりイチバン面白いのは、人間でした。
by ksfarm
| 2010-07-22 10:55
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